ベンゾイン(安息香)の効果効能/精油・エッセンシャルオイル

目次

【ベンゾイン(安息香)のプロフィール】

●学名:Styrax tonkinensis/Styrax benzoin
●科名:エゴノキ科
●蒸留方法:樹脂 溶剤抽出法
●ノート:ベースノート
●主産地:アメリカ・イスラエル・ブラジル
●香り:【樹脂系】甘く、バニラに似たバルサム調の香り
●主な成分:【芳香族カルボン酸類】安息香酸(80%)、コンフィル、エーテル、桂皮酸ベンジル、安息香酸ベンジル、バニリンなど
●エレメンタル:風・地
●星座:双子座
●五臓:肝・脾
●五行:木(土)ペリドット
●チャクラ:第8チャクラ、第1,7チャクラ
●色:マゼンタ、パープル、レッド
●天然石:オニキス
●天体:太陽、金星

  • 【歴史】

    ベンゾインはアラビア語のIuban-jawi「ジャワ島渡来の香」に由来する。
    古代より、悪霊払いの薫香や香料として用いられてきた。
    東洋では何世紀にもわたって、香と薬の両方に使用してきた。
    中国の医師は呼吸器系と泌尿器系の疾患にこれを処方してきた。
    古風なオードトワレ「バージンミルク」には、ラベンダーとエタノールとともに、この安息香が配合されていた。
    安息香は、肌を「きれいに冴えさせ、つややかにしてくれる」と考えられていた。
    今日では香水の保留剤によく使用されている。

【主な働き】

  • ≪心への働き≫
    バニラのような甘い香りで不安や緊張を和らげる。
    強い香りで中枢神経を興奮させ、覚醒させる作用があるとされている。
    精神活動に関わる心のバランスをとり、精神を高揚させたり、鎮静させたりする作用があり、不安や緊張を和らげる。疲労や考えすぎ、不安な気持ちを安定させ、落ち着きをもたらす。
    心を鎮め集中させるので、瞑想時にもピッタリの香り。
  • ≪体への働き≫
    抗炎症作用、去痰、鎮静、利尿、瘢痕形成
    抗菌作用や抗炎症作用が特徴でこれらは太陽に関連づけられる作用であることから、太陽のハーブとされている。
    体を若返らせる効果もある。
    膀胱炎・尿道炎などの泌尿器系の感染症にも適する。
    呼吸器系に関わる肺を強くし、慢性の気管支炎やぜんそくの症状を楽にして、過剰な粘膜や痰を排出しやすくする。
    痛みを伴うせきやのどの腫れにも役立つ。
    ユーカリ・ティートリー・クラリセージの精油を配合して、基材のクリームに混ぜ、のど元に塗るとよい。
    血糖値を抑制する働きがある。口内潰瘍を好転させる。
  • ≪肌に対する効果≫
    収れん、皮膚のバリア機能を高めて傷を治す
    あかぎれやしもやけ、かかとなどの固くひび割れた皮膚、火傷の治癒にはベンゾインを混ぜたクリームがお勧め。
    日焼けを防止する作用もある。
    保湿・収れん作用も。

    【東洋医学から】

    脾にも働きかけ、冷えた心を温めて悲しみや孤独を癒す
    脾陽虚(脾胃に冷えがある)に最も役立つ精油の一つとされ、無気力や手足の冷え、食欲不振、腹部膨満に効果的とされる。
    脾陽虚にはカルダモン・ジンジャー・シダーウッドの精油と混ぜて使用するのもよい。
    心理面では、脾陽虚から生じる考えすぎや心配症によい。脾は「土」に属し、「意」の住処といえる。
    過労が不安や心配を増す時に適する。

    【注意事項】

    妊娠初期は控える。
    溶剤アレルギーの人は注意。
    眠気を誘う効果を示すことから、集中力を必要とするときは、避けるのがベスト。

    【キーワード】

    鎮静・安定・滋養

    【こんな時に】

    ・くよくよ悩みがちで心配事がつきないときに
    ・思い悩んで眠れないときに
    ・咳が出たり息切れがしやすい。また痰が絡むときに
    ・新しい情報に過敏に反応しすぎて神経が疲れているときに
    ・社会の中で役に立ちたいと望み、貢献しようと努力してきた思いが報われず自信を失ったときに
    ・「・・・してはいけない」と自分を厳しく律するあまり、自分を追い詰めすぎてしまうときに

    【相性の良い精油】

    ほとんど香りと相性がよく、甘さを出したい時に使う。また、保留性があるので、揮発しやすい香りを長持ちさせることができる。
    また、酸化防止剤として、オイルの持ちをよくする役割もある。
    ・柑橘系・・・オレンジ・ベルガモット・レモン
    ・フローラル系・・・ラベンダー・ローズ
    ・スパイス系・・・コリアンダー
    ・オリエンタル系・・・サンダルウッド
    ・樹木系・・・ジュニパーベリー・プチグレン
    ・樹脂系・・・フランキンセンス・ミルラ

    【メンタルケア・からだの悩みに役立つアロマ活用術】

    ◎あかぎれ、しもやけに・・・トリートメントオイル
    ≪レシピ≫ベンゾイン2滴+ミルラ1滴+ラベンダー2滴+ラブダナム1滴
    スイートアーモンドオイル30mlに上記の精油をいれ、よく混ぜ合わせれば出来上がり。
    手と足の指1本1本にオイルを塗り、指の付け根から指先に向かって、親指で円を描きながらやさしくさすります。
    内くるぶしの6㎝ほど上にある血行を促すツボを指圧するのも効果的です。

    ◎咽頭炎に・・・トリートメントオイル
    ≪レシピ≫ベンゾイン2滴+ユーカリ1滴+ティートリー1滴+クラリセージ1滴
    スイートアーモンドオイル30mlに上記の精油をいれ、よく混ぜ合わせれば出来上がり。
    のど元に塗りましょう。

  •  

    ※注意事項:ここに掲載している内容は、精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。
    あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。
    持病をお持ちの方、妊娠中の方、お子様に使用する場合や、その他使用に不安のある方は、専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。

    • 参考
      『アロマテラピーのための84の精油』ワンダ・セラー著/高山林太郎訳(フレグランスジャーナル社)
      『スピリチュアルアロマテラピー入門』吉田節子著(株式会社BABジャパン)
      『スピリチュアルアロマテラピー辞典』柏原茜 登石麻恭子(株式会社河出書房新社)
      『スピリットとアロマテラピー』ガブリエル・モージェイ著/前田久仁子訳(フレグランスジャーナル社)
      『アロマテラピー〈芳香療法〉の理論と実際』ロバート・ティスランド著/高山林太郎約(フレグランスジャーナル社)
      『カラーグラフで読む精油の機能と効用』三上杏平著(フレグランスジャーナル社)
      『すべてアロマで解決しました!』西園寺リリカ(株式会社 講談社)
      『アロマテラピーのレシピ12か月』佐々木薫(株式会社 池田書店)
      『心と体 キレイの法則』青木恵(学校法人文化学園 文化出版局)
      「手作りの石けんと化粧品」監修 佐々木薫(池田書店)

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